平成12年8月24日〜27日・長野県野沢温泉村

夏 季 強 化 合 宿

 

野沢温泉村オリンピックスポーツパーク

野沢温泉村オリンピックスポーツパーク・ローラースキーコースにて

 8月24日,午後1時に野沢温泉村に集合する。今回の合宿は,北野建設スキー部の千葉弘子監督を特別講師に迎えて,選手10名,コーチ3名,引率教員1名の計15名の参加をもって実施した。

  初日の午後から練習に入る。宿舎から野沢温泉村オリンピックスポーツパークのローラースキーコースまでの片道約2kmの道のりをジョギングで往復することにより,ウォーミングアップ及びダウンとする。ローラースキーは基礎練習を行い,フォームチェックを入念に行う。
  コースは下りが難しい設定になっており,転倒者が続出する。選手の擦り傷が絶えないため救急薬品は必需品である。 千葉監督の各選手への指導は的確で,指導者としてのキャリアが感じられる。札幌オリンピック出場、国体、全日本選手権での優勝など選手としての実績に加えて、指導者としての長い経験に基づく指導方法は、本県のコーチ陣にとって見習うものがある。 2時間ほど指導しただけで本県の10名の選手全員の名前を覚えてしまったことには敬服した。

ローラースキー練習風景  初日のミーティングで,今合宿での目標を各選手が発表する。内容は以下のとおり。 佐藤史香選手:フォームを正しく直す。持久力を高める。 小野真裕美選手:ローラースキーを走り込む。自分の限界に挑戦して,何かを得て帰りたい。 植田憲司選手:メンタル面で限界を超えたい。インターハイ,関東大会,国体で好成績につながる練習をしたい。神宮司君には負けたくない。 神宮司裕也:ストックワークがもっとうまくなるようにしたい。心肺機能を強化する。下りが下手なのでうまくなりたい。植田君には負けたくない。 吉川侑里:ローラースキーは初めてなので,うまく乗れるようになりたい。 佐藤千草:高校3年のときの体力を早く取り戻したい。 赤間哲也:基礎体力をつけるために走り込む。 谷川聡士:集中力を高め,練習で妥協しないようにする。 吉原友樹:ローラースキーがうまくなりたい。持久力を高める。 栗原良彰:昨シーズンの挽回を図りたい。基礎体力,心肺機能とも強化したい。
  千葉監督より:スポーツは心技体を鍛えること。参加した皆さんはやる気があるので安心した。これから伸びる選手だと思う。しかし,技術面ではまだまだ。高校時代に基礎体力をつけることは大事。クロスカントリースキーは全身運動であり,長距離走というよりもインターバルの繰り返しのような競技。日々の練習は,小さな目標から大きな目標への積み重ねである。勝負には相手があり,ライバルがあるもの。相手の練習をよく見ることも大切だ。よいライバル関係を持ってもらいたい。

  合宿2日目,午前の練習はローラースキー60分間走。前半30分はクラシカル,後半30分はフリーとする。ローラースキー終了後,1本のペットボトルをダッシュして取り合う瞬発力のトレーニングをする。60分間走をこなした後にしては皆元気だ。
  午後は長坂ゴンドラ前スタート,上ノ平見晴台ゴールの延長6.7km,標高差325mの上りロードランニングタ上の平巣鷹湖にてイムトライアルを行う。ここで健闘したのが選手の中で1位の粟原良彰選手と男子に混じって6の位に入った佐藤史香選手。陸トレが順調に仕上がっているようだ。下りは全員でジョッグし,日陰ゲレンデでポールランニング。

  合宿3日目,午前はローラースキーリレー形式のタイムトライアル。4チームに分けて競い合う。1チーム3人,0.9kmコースを1周してタッチし,3サイクルでゴールとする。優勝チームにはスイカの賞品,最下位チームには歌を歌ってもらった。昨日のロードランニングで最下位だった植田憲司選手が,リレーではラップ賞をとった。
  午後は,上ノ平から毛無山山頂までポールウォーキング。下山後巣鷹湖の貸しボートで腕力トレーニング? その後,スキー博物館でスキーの歴史を学び,日暮れまで芝生広場でドッジボールをする。

  合宿4日目最終日,ローラースキーコースで男子18.0km,女子13.5kmのペース走を行う。1周ごとのラップタイムを計測する。このデータは各選手で分析して,今後の練習計画の参考にしてもらいたい。 ペース走の後の選手は皆いい顔をしていた。悔いのない練習ができたからだろう。これからが楽しみだ。

○ 選手の皆さんへ

  今回の合宿は,スキー技術の向上よりも基礎体力の強化を主眼に置いて,トレーニングメニューを作成しました。普段の練習ではできない追い込んだ練習,厳しい練習を選手たちに経験してほしかったのです。そのため,ローラースキーの長時間走や長距離のロードランニングを積極的に行いました。
  人間の身体とは,普段はいくら頑張っても本能的に潜在能力の7割程度しか力が発揮できないようにできています。このたがをはずして10割の力を出す訓練をしているのがスポーツ選手なのです。そのような,体力の限界に挑むトレーニングはひとりではできません。仲間(ライバル)が大勢集まってはじめてできるものなのです。多くの学校が集まって合宿を組むのはそのためです。
 ミーティングでも話しましたが,練習ノートを書くことは選手の基本です。練習内容以外に,その日思ったこと感じたことなど,何でも書いてください。そのノートは選手自身の生涯の財産となります。大切に保存してください。
  さて,選手の皆さん,合宿1日目のミーティングで述べた今回の合宿の目標は達成できたでしょうか。私たちコーチは,選手の皆さんが充実感と満足感を持って合宿を終えてくれることを最大の喜びとしています。

 


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