国民体育大会冬季大会スキー競技会

ノルディック競技 報告

山梨県スキー連盟競技本部ノルディック委員会

2001年 ながの飯山国体

第56回国民体育大会冬季大会スキー競技会

平成13年2月18日〜21日・長野県飯山市長峰スポーツ公園クロスカントリーコース

ながの飯山国体山梨県選手団

 2月14日、甲府市緑ヶ丘体育館において結団式を行い、16日に山梨県選手団は現地入りした。その日の午後、国体会場となる長峰スポーツ公園クロスカントリーコースで自由練習。 今大会の10qコースの後半5qは非常にタフな設計になっており、後半5q、特に6qからの下りで体力を消耗することが予測され、滑走技術の差が大きくタイムに影響する。 選手が練習している間にコーチ陣はワックスのゼロテストを行う。この日のゼロテストが今後のワックステストの基準となる。

  2月17日は、午前午後ともスケーティング走法での自由練習。 この日もワックステストを行う。雪質は新雪だが非常に湿り気の多い雪。日本海側特有の雪質といえる。そのうえ大気湿度も60〜70パーセントと非常に高い。国体期間中はおそらくこのような雪質の日が続くことが予想された。

 2月18日、開会式。入場行進の待機中に、かつて山梨県選手として国体純ジャンプ成年B及びCに出場して連続入賞していた丸登氏(飯山市出身)が応援に駆けつけてきてくれた。声援は多ければ多いほど勇気が沸いてくる。
  天気予報によると、大陸からの寒気団が北上しつつある。西高東低の気圧配置も弱まっている。寒気が去るのは確実だが、それが、明日の朝になるのか、明日の夜になるのか非常に判断に苦しむところだ。

  2月19日大会2日目、午前5時30分、外の様子を見ると雨が降っている。 寒気団が北上するのが予想外に早かったのだ。レースは小雨混じりの中で始まった。 午前が少年男子クラシカル10km、午後が少年女子成年女子クラシカル5kmである。午前 9時の気温が4度、雪温0度、グリップワックスは予想しなかったクリスターとなった。少年男子は、 窪田光真選手、神宮司裕也選手、斉藤元気選手、真明剛士の順にスタートして行った。 コースが思っていた以上に解けており、皆スリップ気味だ。遅いスタートの選手はもう1ランクワックスを重くした。
  結果は真明選手122位、斉藤選手127位、神宮司選手131位、窪田選手136位であった。
 真明選手がゴール後、医務室に運ばれるアクシデントがあった。少年男子は4人しかエントリーしておらず、真明選手が走れなくなれば、少年男子リレーは棄権という事態になる。 医師の診断の結果は足首の軽い捻挫で、1日安静にすればリレーは走れそうだ。
  13時より少年女子、成年女子の競技が開始された。午後になっても気温は上がらず、小雨が時々みぞれ混じりの雪に変わったり、そうかと思えば時々薄日が差したりと、選手にとっては非常に厄介な天候となった。 丸茂綾子選手、佐藤史香選手、小野真裕美選手、そして浅川杏里選手の順にスタートした。結果は、浅川選手59位、佐藤選手67位、丸茂選手80位、小野選手82位であった。成年女子の佐藤千草選手は55位であった。

  2月20日大会3日目、今日は、成年男子Aの富岡俊士選手ひとりの出場となる。昨日まで選手のサポートをしていた富岡選手を今日は少年選手全員でサポートする。 富岡選手は今回で国体には連続10回目の出場となり、彼にとっては記念すべき大会となった。今日の雪は、スリップはするけれども、あまりグリップを重くすると渋って滑らなくなる雪質だ。腕力で強引に滑った富岡選手は90位であった。

  2月21日大会最終日、いよいよ各県の総合力が試されるリレーの日である。天候は快晴、雪温マイナス2度、気温0度、昨夜予測したワックスはぴたり的中した。コースの雪は硬く締まりスケーティングには絶好のコンディションだ。女子リレースタートは9時、少年男子リレースタートは11時。 山梨県は昨年20チーム中19位だったので、レーンは一番端となる。順位を上げれば上げるほど真ん中の有利なポジションが確保される。浅川選手はこの不利なスタート位置から上位を狙うことになる。スタート10秒前、場内が沈黙する。旗が振り下ろされ、一斉に20チームがスタートし、場内は歓声に包まれた。セパレートコースを抜けた選手たちは、最短コースめがけて突っ込んでくる。ひとりの選手が転倒。しかし、浅川選手はその前を走っていたので巻き込まれずにすんだ。1km地点で14位につけ、 その後徐々に順位を上げ、10位で2走の佐藤史香選手にタッチ。会心のレースだった。 2走の佐藤選手で、順位は3人抜かれて13位に落ちたが、まだまだ貯金は残っている。 3走で佐藤史香選手のタッチを受けたのは、彼女の姉である佐藤千草選手。 3人抜かれて16位に順位を留めてアンカーの丸茂選手へタッチ。丸茂選手は昨年より1位順位を上げて18位、今年は笑顔でゴールすることができた。

  11時00分、引き続き少年男子リレーがスタート。1走は斉藤選手、セパレートコースを抜けたところで最下位についた。コースは見る見るうちに気温が上昇し、雪面が解けてザラメ雪に変化している。 5km地点で一気に前の選手を抜いて23位に上がった。2走は神宮司選手、再び最下位となる。3走の窪田選手で前の選手と5分26秒差がつく。 4走はエースの真明選手。どこまで追い上げることができるか。彼の走りを見る限り、捻挫した足首は問題はない。しかし、前の選手との差を3分7秒まで詰めたときに試合は終了した。最後まで諦めなかった真明選手に拍手を送りたい。
 

女子リレースタート
力走する浅川選手
逃げる佐藤選手
女子リレー・スタート
女子リレー1走10位・力走する浅川選手
女子リレー2走・逃げる佐藤選手
少年男子リレースタート
追い上げる真明選手
山梨県応援団
少年男子リレー・右端手前が斉藤選手
少年男子リレー4走・追い上げる真明選手
リレーゴールで声援を送る山梨県応援団

ながの飯山国体山梨県勢の記録(ノルディック)

クロスカントリー 監督
中安 正議
山梨県庁
クロスカントリーコーチ
廣瀬 本男
(株)マルイチ産商
クロスカントリーコーチ
中村 直人
塩山市立玉宮小学校

ノルディック(クロスカントリー)

月日
種目
選手氏名
所属
記録
順位

2001/2/19

少年男子

10kmクラシカル

真明 剛士 日大明誠高校

36分00秒5

122/149
斉藤 元気 帝京第三高校
36分48秒9
127/149
神宮司 裕也 山梨学院大附属高校
37分19秒2
131/149
窪田 光真 巨摩高校
38分08秒4
136/149

少年女子

5kmクラシカル

浅川 杏里 山梨学院大附属高校
20分41秒0
59/86
佐藤 史香 山梨学院大附属高校
21分17秒7
67/86
丸茂 綾子 峡北高校
23分09秒6
80/86
小野 真裕美 山梨学院大附属高校
23分45秒8
82/86
成年女子A
5kmクラシカル
佐藤 千草 山梨学院短期大学
22分47秒9
55/57
2001/2/20
成年男子A
10kmクラシカル
富岡 俊士 冨士食品工業(株)
35分31秒8
90/105
2001/2/21
女子リレー
5km×4 フリー
1走 浅川杏里 2走 佐藤史香
3走 佐藤千草 4走 丸茂綾子
1時間08分47秒4
18/20
少年男子リレー
10km×4 フリー
1走 斉藤元気 2走 神宮司裕也
3走 窪田光真 4走 真明剛士
2時間15分16秒5
24/24

公式記録・総合成績
第56回国民体育大会冬季大会スキー競技会いいやま国体のページへ

 

山梨県スキー連盟トップページへ
ノルディック委員会トップページへ
戻る
次へ