国民体育大会冬季大会スキー競技会

ノルディック競技 報告

山梨県スキー連盟競技本部ノルディック部

2009年 トキめき新潟国体

第64回国民体育大会冬季大会スキー競技会

平成21年2月17日〜20日・新潟県十日町市 吉田クロスカントリーコース

左から、村山、工藤、進藤、桃井、清水、小川、町、柳原、藤巻、中安

工藤直樹選手(成年男子C)13位、 小川壮太選手(成年男子B)23位
成年男子リレーは前回から2番あがって21位

 第64回国体は、暖冬による雪不足の中で迎えた。山梨県選手団は2月15日に会場入りしたが、1週間前に試走に来たときよりもさらに雪は減っていた。しかし、自衛隊や大会関係者の方々の突貫作業によるコースへの雪入れのおかげで、コース整備は万全の状態であった。選手のために全力を尽くしていただいた新潟県には心から感謝したい。
 宿舎は、塩之又温泉の湯元荘、昨年のインターハイで山梨県の高校生が宿泊しているので、勝手はよくわかっていた。 しかし、十日町市街から山道を車で登ること30分、道を間違えたのではないかと心細くなるほど、湯元荘は山奥にあった。早朝は道路が凍結し、ABSの作動するガーガーという音を聞きながら、完全にスリップしながらの下りでは、運転手を極度の緊張に陥れた。脱輪したら試合に間に合わなくなるという重圧に、選手よりも緊張する毎日であった。
 そうはいっても、宿舎のボリュームある美味しい食事、身体の芯から温まる天然温泉、そして広いワックシングルームと、慣れるとひじょうに快適であった。 国体での宿舎の方の暖かいもてなしは、毎年のことではあるが、とても心地よい思い出となっている。

宿舎となった湯元荘
広いワックシングルーム
町
宿舎となった塩之又温泉湯元荘
広いワックシングルーム
応援横断幕を張り終えた町コーチ。
雪入れ作業
桃と真樹
夕食風景
突貫作業でコースに雪を入れる。
北杜市民の桃井選手と進藤選手。
ボリュームのある夕食。

2月18日(水)
 【成年男子C 5kmクラシカル】
 朝から降雪であった。気温マイナス2度で湿度が91パーセント。新潟特有の重たい新雪だが、ベテランの工藤直樹選手(工藤設計)は慌てなかった。45歳という成年男子Cで戦うにしてはベテラン過ぎる年齢であるにもかかわらず、昨年と同じ13位を確保した。山梨県選手の中で、最高齢で最高順位を出したことを高く評価したい。この年齢になっても、記録が落ちないことが素晴らしい。8位との差38秒8であった。
 【成年女子B 5kmクラシカル】
 今大会、山梨県から唯一の女子選手として、柳原安里選手(潟Aルペン)が出場した。湿った新雪に他県の選手が悪戦苦闘する中、町コーチの選定したワックスがぴたりと雪質に合い、会心の滑りであった。アーチェリーバイアスロン世界選手権に出場経験のある柳原選手は、ベテランらしく落ち着いたレース運びで、19位を確保した。
 【少年男子 10kmクラシカル】
 少年組からは、進藤真樹選手(北杜高校2年)が出場した。進藤選手は今シーズン大躍進し、高校生からただひとり山梨県代表に選考された。全国の強豪が集中する第1シードでスタートしたため、相当に緊張したようであった。ゴール直後過呼吸で倒れ、救護室に運ばれたが、30分ほどで回復した。しかし、レース5q過ぎからの記憶はなかった。

工藤直樹選手
柳原安里選手
進藤真樹選手
成年男子C 工藤直樹選手
成年女子B 柳原安里選手
少年男子 進藤真樹選手
【成年男子B 10kmクラシカル】
 小川壮太選手(富士吉田市立下吉田第2小学校教員)が出場した。スタートリストを見ると、本来であればワールドカップや世界選手権に出場しているはずの選手が、今回は成年男子Bに多く出場している。この中で小川選手が入賞を狙うのはあまりにも過酷であることが、レース前から予感された。入賞が期待された小川選手、レース運びはほぼ完璧であったにもかかわらず、結果は昨年よりも順位を下げて23位。昨年の全日本選手権15qの覇者でも入賞できないという現実が、成年Bの層の厚さを物語っていた。
 もうひとり、村山智之選手(陸上自衛隊北富士駐屯地)が出場した。45位であった。厳しい予選会を通過して、リレー要員として選ばれた選手だ。地元十日町市出身の選手で、コースは熟知している。両親を含めて地元の声援は大きかった。グリップワックスが合わず苦戦したが、全力を出し切ってゴールした。
【成年男子A 10kmクラシカル】
 清水鉄平選手(亜細亜大学3年)が73位、桃井一樹選手(富山大学1年)が82位だった。ふたりとも北杜高校出身で仲がいい。清水選手は次代を担う成年選手のエース候補。毎年順位を順調に上げている。来年はさらに期待したい。桃井選手は今年から成年男子Aとなった。5人目のリレーメンバーとして山梨県代表に選考されたが、残念ながらリレーメンバーにはなれなかった。大学生という恵まれた環境の中で、大きく育って欲しい。
村山智之選手
小川壮太選手
桃井一樹選手
成年男子B 村山智之選手
成年男子B 小川壮太選手
成年男子A 桃井一樹選手
清水鉄平選手
藤巻先生
1走 小川選手
成年男子A 清水鉄平選手
リレーが始まる。コースの踏みつけ作業。
成年男子リレー 1走 小川選手

2月20日(金)
【成年男子リレー 10kmフリー×4】
 第58回の名寄国体では22位、第59回の山形国体では20位、第60回の岩手国体では19位、第61回の群馬国体では18位、第62回の秋田国体では21位、昨年の第63回長野国体では23位と、成年男子リレーは常に20位前後に位置している。今年の目標は、過去最高の17位だった。

小川選手
鉄平選手
工藤選手
16番手を走る小川選手
2走 気迫の清水選手
3走 前との差を詰める工藤選手

 1走は小川選手、今年の国体からマススタートが採用されたため、ビブナンバー23の山梨県にはハンディキャップが大きく、不利なスタート位置となる。スタートでは23位、それから徐々に順位を上げて16位で清水選手へ中継した。14位とのタイム差0.8秒、広島県、京都府と三つ巴になって、中継ゾーンに飛び込んできた。
 2走の清水選手がどこまで逃げ切れるかが、今回のレースの鍵となる。エース級の選手が集まる2走のレベルは高い。後半一人旅となったが、なんとか21位を確保して3走工藤選手に繋ぐ。
 3走の工藤選手は、快調な滑りで宮城県を抜き、鳥取県にも迫る。順位は1番上がって20位となる。前のチームとの差も僅かである。いよいよアンカー勝負だ。

村山選手
ゴール。
林野旻県連副会長と
4走 激しい争いとなった村山選手
村山選手、ゴール。
林野副会長も応援に駆けつける。

 4走アンカーは村山選手。繰り上げスタートとなった。繰り上げした選手の中では3番手についている。繰り上げなので、現在の順位がわからない。とにかくタイムだけを狙って、必死でスパートをかける。17位の手応えはあった。しかし、結果は21位、知らない間に宮城県に抜き返されていた。
  目標の17位までのタイム差が1分23秒0、ひとり21秒短縮していれば17位だった。昨年の長野国体では17位までのタイム差が7分45秒7、18位に入った群馬国体の時でさえ、17位とのタイム差が2分42秒7、今回は17位まで紙一重のところまで迫っていたことが、あとからわかった。
  しかし、ひとつ間違えば、最下位になる可能性も十分にあった。これが国体リレー競技の恐ろしさだ。選手達はこのようなプレッシャーの中で、よく頑張ってくれた。来年の国体が楽しみだ。

第64回国民体育大会クロスカントリー競技 山梨県監督 中安正議


第64回国民体育大会冬季大会スキー競技会 クロスカントリースキー競技

山梨県代表

クロスカントリー 監督
中安 正議
山梨県峡南林務環境事務所
クロスカントリー コーチ
町 貴仁
フジ虎ノ門整形外科病院
クロスカントリー コーチ
藤巻 和義
山梨県立北杜高等学校

ノルディック(クロスカントリー)

月 日
種 目
選手氏名
所 属
記 録
順 位

2009/2/18

成年男子C
5kmクラシカル
工藤 直樹
工藤設計
17分29秒9 
13/45
成年女子B
5kmクラシカル
柳原 安里

潟Aルペン
フィットネスクラブ甲府

26分59秒8
19/24
少年男子
10kmクラシカル
進藤 真樹
山梨県立北杜高校
42分54秒1
114/139
成年男子B
10kmクラシカル
小川 壮太
富士吉田市立下吉田第二小学校

32分35秒4

23/49
村山 智之
陸上自衛隊北富士駐屯地

40分00秒2

45/49
成年男子A
10kmクラシカル
清水 鉄平
亜細亜大学
36分20秒9
73/83
桃井 一樹
富山大学
40分17秒3 
82/83
2009/2/20

成年男子リレー
10km×4 フリー

 1走  小川 壮太
28分25秒5
16/25
 2走  清水 鉄平
32分19秒1
24/25
 3走  工藤 直樹
31分23秒0
19/25
 4走  村山 智之  
32分10秒3
20/25
合       計
2時間04分18秒1 
21/25

 

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