国民体育大会冬季大会スキー競技会

ノルディック競技 報告

山梨県スキー連盟競技本部ノルディック部

2008年 長野かがやき国体

第63回国民体育大会冬季大会スキー競技会

平成20年2月19日〜22日・長野県野沢温泉村 南原クロスカントリーコース

山梨県選手団全員集合

工藤直樹選手(成年男子C)13位、 小川壮太選手(成年男子B)18位
成年男子リレーは23位

 第63回国体は、我ら山梨県チームのホームグラウンドである。各都道府県の選手・コーチ陣が、難しいワックス選び及びコースレイアウトに頭を悩ませる中、比較的落ち着いて大会を迎えることができたことは、本県選手団にとってはまさに地の利を生かした最大の追い風であった。
 また、いつも合宿で使い慣れている民宿鈴森が国体宿舎となったことも幸運であった。いつも通りの栄養満点の食事で鋭気を養うことができた。
  さて、近年のクロスカントリースキー界の事情はというと、W-CUPを転戦する選手でさえ所属先や資金繰りに四苦八苦する世の中であり、都道府県代表として活躍することで自身の活動の場をなんとか維持しているのが現状のようである。今や一線級の選手が国体のリザルト上位を埋める光景は、珍しい光景ではなくなった。
  そんな厳しい状況の中、山梨県選手団は持てる力を十二分に発揮し、健闘してくれた。『結果・順位が全て』と言ってしまえばそれまでだが、選手団は確実に成長し、その成果を出すことができた。もちろん来年に向けての課題はまだまだ山積みではあるが、次の国体につながる試合ぶりであったことは間違いない。

桃井一樹選手スタート
中村龍太郎選手スタート
桃井一樹選手
桃井選手スタート
中村選手スタート
下りはクラウチング、スキーは滑っている。
中村龍太郎選手
桃井一樹選手
ゴール後、互いに健闘を称え合う
登りはピッチ走法だ。
ゴール後、精魂尽き果てる。
ゴール後、互いの健闘を称え合う。

2月20日(水)
 【少年男子 10kmクラシカル】
 中村龍太郎選手(吉田高校2年)と桃井一樹選手(北杜高校3年)が出場した。中村選手は今シーズンになってアルペンからクロスカントリーに転向したばかりだが、近年の少年男子では最高位である78位という成績を修めた。まだ、フォームが完成していないので、これからが非常に楽しみな選手である。
  桃井選手は、大学受験の合間をぬって練習を重ね、昨年の98位から順位を上げて94位となり、成長していることが証明された。富山大学に進学してからの活躍が期待される。

清水鉄平選手スタート
登りは快調。
みせろ!山梨!底力!
清水選手スタート
グリップはバッチリだ。
みせろ!山梨!底力!
【成年男子A 10kmクラシカル】
 清水鉄平選手(亜細亜大学2年)が79位だった。将来、成年男子チームのエースとなるためにも奮起してもらいたい。中学からスキーを本格的に始め、クロスカントリースキーにおける経験値も積んできた。今後はスキー技術を今一度見直し、心・技・体のかみ合ったレース展開を期待したい。
町貴仁選手スタート
小川壮太選手スタート
小川壮太選手
町選手スタート
小川選手スタート
入賞目指して全力疾走。
小川壮太選手
ゴール後の町選手
左から、清水選手、町選手、小川選手
上位グループの熾烈な戦い
ゴール後の町選手
残念、入賞は逃したか。

【成年男子B 10kmクラシカル】
 小川壮太選手(山梨市立日下部小学校教員)が昨年と同じく18位であった。前半のスピードが後半まで持続できなかった。調子は決して悪くはなかったが、入賞圏内の選手と比較するとやはり何かが足りない。雪の上で活動する時間がどうしても少ない山梨県選手にとって、雪上での足裏感覚の少なさが、『ここぞ』という時に大きな差となって表れている。成年男子Bのレベルの高さをあらためて思い知った。来年に向け、さらなる技術向上を期待したい。 入賞は射程距離にある。
 町貴仁選手(フジ虎ノ門整形外科病院)は38位だった。目標の20位台には及ばなかったが、試合にかける意気込みは、少年選手の模範となる。技術レベルはある一定の域まで達している。あとは基礎体力の向上と安定した練習時間の確保が必要となる。本人曰く、多忙な仕事もひと段落し、競技に集中できる時間も持てる、とのことだった。来年の国体での活躍が楽しみだ。

工藤選手スタート
工藤直樹選手
工藤直樹選手
工藤選手スタート
気迫の走り
無念、今年も入賞ならず。

【成年男子C 5kmクラシカル】
 工藤直樹選手(工藤設計)は、44歳という成年Cで戦うにしては高齢であるにもかかわらず、昨年の15位から13位に順位を上げた。『年齢的な限界』という言葉は、彼にとっては必要ないのである。
  また、県勢では入賞圏内に一番近いところに位置していることも事実である。かねてからの目標である入賞を手にするためには、小川選手と同様、自分の滑りを一度壊し、新たな技術革新を図ること、そして国体に向けた調整力を維持することが課題であろう。

前走の野尻あずささん
園部和義監督
左から、土橋さん、その友達、真明君、本庄さん
前走の野尻さん
お疲れ様、園部和義監督。
山梨からやって来た応援団
2月21日(木)
【成年男子リレー 10kmフリー×4】
 今年の成年男子リレーも、補欠なしの4名のエントリーとなった。第58回の名寄国体では22位、第59回の山形国体では20位、第60回の岩手国体では19位、第61回の群馬国体では18位、第62回の秋田国体では21位と、成年男子リレーは20位前後の安定した力をキープしている。しかし、ほとんどの県が成年Aの選手でチーム編成している中で、我が県は成年Aが1人であとは成年B、Cの選手で構成していることは、成年選手層の薄さを露呈している。新勢力の育成が急務である。
左から2番目が小川選手
小川壮太選手
小川壮太選手
成年男子リレー、スタート。
激走、区間14位
次々に抜いてゆく。左が小川選手
 1走は小川選手、スタートでは冷静に最後尾について前の選手集団を射程距離に置きながら様子を覗い、2.5q地点では21位、5q地点では19位、7.5q地点では14位と順位を上げて、工藤選手に中継した。1走で14位で帰ってきたのはこれまでの山梨県の成績で過去最高である。会心の滑りであった。
小川壮太選手
工藤直樹選手
工藤直樹選手
今日は会心の滑りだ。
2走 工藤選手
得意のパドルダンス
 14位でタッチを受けた2走の工藤選手は、徐々に遅れて23位に後退する。しかし、成年男子リレー参加者の中では最高齢の工藤選手、各チームのエースが揃う2走区間での頑張りは見事であった。
町貴仁選手
町貴仁選手
4走、清水鉄平選手
3走 町選手
鉄平!待っていろ。
残念、繰り上げスタート。
 3走は、町選手、スタート直後の下りで予想外の転倒をしたが、落ち着いてペースを取り戻す。しかし、両足の筋肉は硬直し、限界に達していた。トップから15分で繰り上げスタートとなるため、すでに4走の清水選手は繰り上げスタートの配置についていた。そこへ町選手が現れ、繰り上げは免れるかに見えたが、無情にも3秒差で繰り上げスタートとなり、ゴール後町選手は崩れ落ちた。順位は変わらず23位だった。
清水鉄平選手
清水鉄平選手
清水鉄平選手、ゴール。
前の選手が見えない。
1秒でも稼ぐんだ。
アンカー清水選手のゴール。
 4走アンカーは清水選手。繰り上げで同時スタートした2選手はすぐに引き離したが、悲しいかな前の選手との差が大きく、結局ゴールまで視界にとらえることができず、10qをほとんど一人旅となった。23位でゴールし、コントロールゾーンを抜けるやいなや力尽きて倒れ込んだ。我に返って最初に発した一言は、「あのぐらい、待ってくれてもいいじゃないですか!」。繰り上げ出走が相当悔しかったらしい。
 国体リレーの成績は、その都道府県の総合力を表す指標といえる。現在48都道府県中23番目に位置している。来年の目標は17位としたい。 (中安・小川強化コーチ)
リレー終了後の記念撮影
戦いを終えて、みんな笑顔ではいポーズ。

第63回国民体育大会冬季大会スキー競技会 クロスカントリースキー競技

山梨県代表

クロスカントリー成年男子監督
園部 和義
東海大学甲府高等学校
クロスカントリー少年男子監督
五味 正俊
山梨学院大学附属高等学校

ノルディック(クロスカントリー)

月 日
種 目
選手氏名
所 属
記 録
順 位

2008/2/20

少年男子
10kmクラシカル
中村龍太郎
吉田高校
34分32秒2
78/129
桃井 一樹
北杜高校
37分27秒1
94/129
成年男子A
10kmクラシカル
清水 鉄平
亜細亜大学

35分59秒8

79/83
成年男子B
10kmクラシカル
小川 壮太
山梨市立日下部小学校

31分46秒2

18/45
町 貴仁
フジ虎ノ門整形外科病院
35分22秒6
38/45
成年男子C
5kmクラシカル
工藤 直樹
工藤設計
16分33秒7 
13/49
2008/2/21

成年男子リレー
10km×4 フリー

 1走  小川 壮太
28分39秒8
14/25
 2走  工藤 直樹
31分15秒8
23/25
 3走  町  貴仁
33分11秒6
25/25
 4走  清水 鉄平  
32分00秒7
21/25
合       計
2時間05分07秒9 
23/25

 

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