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平成20年9月13日〜15日・山梨県富士吉田市・鳴沢村

秋季強化合宿

東京・神奈川・山梨のクロカン選手全員集合

東京都・神奈川県・山梨県のクロカン選手全員集合(富士北麓公園陸上競技場にて)

クロカン三昧の3日間

東京都・神奈川県・山梨県スキー連盟
合同合宿

 数年前から神奈川県や東京都のスキー連盟が、山梨県富士吉田市の富士北麓公園でローラースキーの合宿を行っていましたが、今年は各県の指導者間の申し合わせにより、初めて2泊3日の三県合同の合宿を行うことになりました。選手コーチ含めて総勢60名超の大合宿となりました。
 通常は数名で細々とローラースキーの練習を行い、一般人からは好奇の目で見られることが、世間からの認知度が低いマイナースポーツの宿命とあきらめていた山梨県選手団ですが、この日ばかりはメジャースポーツの仲間入りをしたような気分で、モチベーションはクライマックスに達しました。東京都及び神奈川県の選手の皆さん、そして監督さん、ほんとうにありがとうございました。

小川壮太選手
富士北麓公園での講習会
60人以上の選手・コーチが参加
富士北麓陸上競技場外周コース
桃井一樹選手
工藤直樹選手
緩い登りはダイアゴナル
ヘルメットで安全対策
森講師の説明を聞く

 さて、1日目午前は、山梨県チームは、9月28日開催される富士山チャリティー駅伝の試走で、滝沢林道を走りました。普段ローラースキーの練習に使っているので、コースはすでに熟知しています。
 午後には、東京都と神奈川県の選手も富士北麓公園に集結しました。1日目と2日目の午前までは、神奈川県スキー連盟が招へいした野沢温泉スキークラブの森知弘氏を講師に迎え、ローラースキー講習となりました。森講師のわかりやすい説明は、指導者が聞いていても参考になりました。さすが、多くのジュニア選手を世界に送り出しただけあって、流れるようなその指導方法にプロフェッショナルの技を感じました。
 今回の合宿の宿舎は、山梨県スキー連盟アルペン部の強化コーチで、スノーボードの全日本インストラクターでもある坂本栄樹氏の経営する温泉民宿八木崎園です。スポーツ選手に必要な栄養に配慮された食事は、長距離系の合宿には申し分のないものでした。
  大広間で各県入り混じって夕食を摂り、各県のミーティング終了後、大広間にて、札幌の世界選手権のビデオ鑑賞会を開催しました。高校生たちの目は、テレビ画面に釘付けでした。野球やサッカーにはスパースターがいて、その選手に憧れて子供たちがスポーツに取り組むように、クロスカントリースキーのスーパースターも身近に見られるようになると、選手人口ももっと増えるような気がしました。

進藤真樹選手
もうすぐ下りだ
ダブルポールに磨きをかけろ
宿舎で世界選手権のビデオ上映
朝のコントレ(八木崎園玄関)
富士北麓公園で準備体操
基本技術をマスターしよう 

 2日目の朝は、涼しいというよりも肌寒い感じでした。八木崎園から河口湖畔までは30秒ですが、霧がかかっていて、富士山は見えませんでした。
 午前の練習は、富士北麓公園で森講師の講習を受け、午後は富士北麓公園陸上競技場で5000m走の記録会を行いました。本降りの雨の中で強行しましたが、記録会なのでさほど問題にはなりませんでした。飛び入りで千葉県スキー連盟の参加もありました。人数が多いので各自ゼッケンを着用し、20分を切れそうな組と20分を切れなさそうな組に分けて、レースを行いました。このような多人数のタイム計測に慣れていないコーチは、実はパニック状態でした。
 記録会終了後、濡れついでにサッカーの試合を行うことになりました。人数が多いのでボールを2個使いました。チーム分けは、白いTシャツを着ている組と、色つきのTシャツを着ている組という適当な決め方でした。キーパーと審判はコーチが務めました。疲労困憊しているはずなのに、予想以上に盛り上がりました。
 ずぶ濡れになった選手たちは、宿舎に到着するなり温泉で身体を温めました。あとは食べて寝るだけです。そうそう、昨日の続きのビデオ鑑賞もありました。この日はトリノオリンピックでした。そしてこの夜、各県の指導者たちは、たっぷりと親睦を深めることができました。

急坂でのテクニック
広いコースでのびのびと
みんな一緒にペース走
ぼくたち北杜軍団だ!
北麓公園のコースは自由自在
登りダッシュ・レペテーション
 3日目は今合宿の目玉商品、ローラースキータイムトライアルです。鳴沢育樹祭記念広場をスタートし、富士林道を5.3q、標高差265mを登る、過酷なものです。45名の選手が一斉スタートする光景は、一種荘厳なものを感じました。
  各県のコーチは、スタート係、林道の交通整理係、中間点での応援係、ゴール地点での計測係、最終走者の伴走係などを分担し、協力し合って無事大規模なタイムトライアルは終了しました。ゴールした選手はコーチ車に積んであるランニングシューズに履き替えて、ジョギングでクールダウンしながらスタート地点に帰るという、合理的な段取りでした。
 午後は鳴沢育樹祭記念広場周回コースで、今回学んだ技術を身体と頭にたたき込むため、基礎練習をしっかりと行いました。
 今回は天候が芳しくなく、東京都や神奈川県の方々に美しい富士山や御坂山系の山々を見ていただけなかったのは残念ですが、オフシーズンのクロスカントリースキーのトレーニングに適した山梨県の自然環境を、十分堪能されたのではないかと思います。
中山雄登選手と小谷翠選手
新河千里選手と小泉駿紀選手
陸上競技場で5000m記録会
雨でビショビショだ。
大広間にて各県混じって夕食
育樹祭広場スタート
河口湖畔八木崎公園で朝のコントレ
鳴沢育樹祭記念広場にて
タイムトライアル、一斉スタート

 今回、東京都、神奈川県、山梨県が合同で合宿ができたことは、ひじょうに良い経験となりました。しかし、冬季国体ではライバル関係です。過去の国体成年男子リレーの記録を見ると次のとおりです。
 【2008長野国体】16位 神奈川県、23位 山梨県。
 【2007秋田国体】20位 神奈川県、21位 山梨県、23位 東京都。
 【2006群馬国体】18位 山梨県、19位 神奈川県、23位 東京都。
 【2005岩手国体】17位 東京都、19位 山梨県、20位 神奈川県。
 けっこういい勝負をしています。2009新潟国体では、また熾烈な争いとなることでしょう。雪なし県同士、切磋琢磨しながら、いつかお互い入賞できる日を目指して、努力していきたいと思います。
 良きライバルは、また、良き生涯の友人となります。クロカン三昧の三日間、このような交流合宿をこれからも続けていきたいと願っています。最後に、今回の合宿の実施のために御尽力いただいた、東京都と神奈川県の監督コーチの皆さん、ほんとうにありがとうございました。
                               
         (中安強化コーチ)

町貴仁選手(中央)
富士林道5.3km地点ゴール
育樹祭記念広場のやさしい芝生
ダイアゴナルの真髄はここだよ
桃井一樹選手と村山智之選手
ここんところ、こうやってごらん。
さあ、付いておいで
これでローラーはバッチリだね
 
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