平成１８年１月２４日〜２６日

第１次国体強化合宿・群馬県片品村

　尾瀬国体に選ばれた山梨県代表選手の成年男子を対象に、平成１８年１月２４日から２６日まで、群馬県利根郡片品村の関東高校ｽｷｰ大会会場にて、国体強化合宿を行った。毎年関東高校ｽｷｰ大会で使用されている水芭蕉クロスカントリーコースが、今年は国体でも会場となる。国体の下見も兼ねて、今回強化合宿を行った。２５日、２６日の両日とも成年男子選手は、関東高校大会の前走を走ることにより、レースでのスピード感覚を養い、かつ国体のコースをしっかりと記憶し、来るべき決戦のときに備えた。
　さて、次に関東高校スキー大会における、山梨県選手の活躍を報告する。

　１月２５日は女子５kmクラシカル、男子１０ｋｍクラシカルが行われた。コースは新雪で、グリップワックスの選択に個人差が大きく、その選択が勝敗を分けた。
　 山梨県勢女子では、小高佑季子選手（山梨学院大附属高校２年）が５位入賞、谷戸綾奈選手（東海大甲府高校２年）が８位入賞、野本かおり選手（日大明誠高校３年）が１０位入賞した。女子で３人が入賞したのは５年振りである。山梨県女子黄金時代の幕開けを予感させた。男子では清水鉄平選手（北杜高校３年）が念願の９位入賞。９位から４位までが３７分台という接戦であった。上位入賞を狙っていたのでちょっと残念。
　１月２６日はリレーが行われ、山梨県からは女子は山梨学院大附属高校チーム、男子は北杜高校チームが参加した。東海大甲府高校、日大明誠高校はメンバーが足りず、出場できなかったのは残念であった。しかし、リレーに出場できない選手たちの要望により、日大明誠高校と北杜高校の合同チームがオープン参加することが認められた。やはり、観戦しているより走っているほうが楽しいらしい。
　リレーは吹雪の中を男女一斉スタートした。北杜高校１走の清水鉄平選手は、昨日の悔しさを晴らすかのように、１位で、しかも独走で帰ってきた。ゴール後の清水選手は、「気持ちよかったっす。スキー、むっちゃ滑りました。」と喜びを隠せない。いつもこのようなコメントが聞きたい。一方、１位で走った経験のない２走以下の北杜高校の選手には動揺が走った。自分のせいで順位を落としたくないという責任感が、彼らに重圧をかける。しかし、この重圧は、走り出せばすぐにアドレナリンに変わるはずだ。トップを走る爽快感をできるだけ長い時間味わって欲しい。
　時間がたつにしたがって天候はますます悪化する。猛吹雪でホワイトアウト状態。中継ゾーンに飛び込んでくる選手がバタバタと倒れる。山梨学院大附属チームの１走小高佑季子選手は２番手で神宮司奈央選手にタッチする。アンカーは小野比呂恵選手、今年スキーを始めたばかりの初心者だが、この悪コンディションの中で無事に生還した。ゴール後倒れてピクリとも動かない。応援していた選手たちが心配して駆け寄る。学校対抗などもう関係ない。みんな仲間なのだ。これがクロスカントリースキーだ。
　結局、北杜高校は５位、山梨学院大附属高校は４位であったが、山梨県の高校生たちは競技者としても観戦者としても、その姿勢は素晴らしく、見ている者に感動を与えてくれた。応援しに行った甲斐があった。（中安）